◆ホットスポットパトロール研修会が行われました

 2017年3月6日(月)、六会市民センターで「ホットスポットパトロール研修会」が開催されました。講師に藤沢市安全・安心まちづくり推進員で犯罪社会学の研究者である小宮信夫氏(立正大学文学部社会学科教授)を招き、効果的な防犯パトロールの方法について、講演とフィールドワークが行われました。

 今回の研修会のテーマであり小宮氏が提示する“ホットスポットパトロール”とは、日本で一般的となっている町を巡回する“ランダムパトロール”ではなく、危険な場所を重点的にパトロールするものです。では、どのような場所が危険なのか、小宮氏からいくつかポイントが挙げられました。

 まず、“危ない人”ではなく“危ない場所”が重要であるということです。これから犯罪を起こそうと思っている“人”は、なかなか見分けがつかないけれども、危ない“場所”は見分けがつくという考え方です。具体的には “入りやすくて、見えにくい場所”は危険であり、逆に安全な場所とは“入りにくくて、見えやすい場所”であるといった説明がありました。これをもとに、実際に六会市民センターの周りを歩き、犯罪が起こりやすい場所“ホットスポット”を探すフィールドワークを行いました。

出入口が多い大きな駐車場や、管理のされていない駐車場などは犯罪集団等の作戦基地となりやすい場所や、子どもを観察し狙いをつけたりできる場所、連れ去りに適した通りなど、いくつかの“ホットスポット”を見つけることができました。パトロールの際は、これらの“ホットスポット”を通りかかるのではなく、その場所で一定時間、留まることが大事だそうです。これは、車の中の犯罪集団や、また人物に対してプレッシャーをかけることに繋がるそうで、この場所では見られていると思わせ、犯罪をやりにくくすることが重要とのことでした。

 小宮氏によると、欧米では一般的なこの“ホットスポットパトロール”を、日本で初めて導入したのが、藤沢市だそうです。全国でも実施している地域はまだごく一部とのこと。“パトロール”自体は、平成14年頃から、警察や行政主導で市民を主体とした活動が全国的に始まったそうですが、日本でも、犯罪認知件数には現れないものを含めると、非常に多くの犯罪が発生している中で、防犯の方法も犯罪先進国である欧米で効果を上げている方法を積極的に取り入れていく必要があるといえます。