片瀬地区の防犯の取り組み(前編)

~青パトと安全・安心ステーションの声がけ活動~

 藤沢市は地区ごとに防犯協会が組織され、地域密着の防犯活動を推進しています。今回は、片瀬地区で取り組まれている安全・安心のための取り組みについてレポートします。

 金曜日の午後1時すぎ、片瀬公民館防犯ボランティアの女性が3名到着しました。これから、青パト(青色回転灯装備車両)に乗り込み、小学校の下校時間帯のスタートに合わせて地区内の見回りを行います。

1時30分頃、青色の回転灯をつけ、防犯への呼びかけのアナウンスを流しながら、公民館を出発していきました。

 片瀬地区には、安全安心なまちづくりを推進するために、防犯活動の拠点として2010年3月に「片瀬地区 安全・安心ステーション」が設置されました。ここでは、平日の午前7時30分から8時15分と、午後2時30分から3時30分頃まで、登下校中の子どもたちや地域の住民の方々へ「おはよう」「いってらっしゃい」「おかえりなさい」などの声がけを行っています。

 この日の午後は、甘粕勇二さんが見守りと声がけを務めます。

 まずは設営からスタート。片瀬地区の防犯ベストを着用した大きなプーさんのぬいぐるみが登場します。ぬいぐるみの胸には、表と裏にそれぞれ「いってらっしゃい」「おかえりなさい」と書かれたうちわが用意されています。午後なので「おかえりなさい」を表示して椅子に座らせ、セッティング完了です。

まもなく片瀬小学校の低学年の子どもたちが通り始めると、甘粕さんは「おかえり」「気をつけて」などの声がけを始めました。声がけをする1時間の間に、毎日35名程度の児童が通過するとのことです。その後3時半頃からは、湘南白百合中学校の生徒が下校し始めるそうです。

「声をかけると、返してくれるのが何よりうれしい」と甘粕さん。言葉でなくとも、にっこり笑ってくれるだけでも、心のつながりを感じあたたかい気持ちになるとのことで、見守りや声がけを続けていく原動力にもなっているそうです。中には、決まってよく挨拶をする子もいるとのこと、継続的に活動していることで顔見知りになり、お互いに親しみがわいている様子もうかがえました。

 午後3時過ぎ、安全・安心ステーションの中から何組かの親子が出てきて、ステーション前はにぎやかになりました。片瀬地区の福祉活動の拠点として設置されている「ひだまり片瀬」の、居場所“ひだまり”に集まっていたみなさんでした。

 居場所“ひだまり”は誰でも好きな時にふらっと立ち寄れる居場所で、おしゃべりをしたり、お茶を飲んだりして思い思いに過ごすことができるのだそうです。出てきた人たちはおしゃべりの続きを惜しむかのように、子どもたちも甘粕さんと会話を交わし、やがて帰っていきました。

 安全・安心ステーションを中心に、地域のいろいろな世代が交流したりふれあったりしている片瀬地区。昨年の11月23日の勤労感謝の日には、湘南白百合小学校の児童18人が安全・安心ステーションを訪れ、「いつもありがとうございます!」と感謝の言葉を綴った手紙を目の前で読み上げてくれたのだそうです。手紙と合わせて、ホッカイロやチョコレートのプレゼントもいただいたそうです。(クリックすると拡大します)

 子どもたちや大人たちに感謝され、地域の安全・安心の一翼を担う存在となっている片瀬地区安全・安心ステーションの見守り活動ですが、この日活動をされていた甘粕さん(68)が最年少とのことでメンバーの高齢化や、午後の担い手の不足が課題となっています。

 甘粕さんは「人と人とのつながりやコミュニケーションが何よりも良いし、大切。」と言い、子どもたちや地域のためにやっていることが、自分にとっても嬉しいことにつながっているとお話しされていました。そんなまちの姿に共感される方々の参加が少しずつ拡大し、この活動の継続が望まれます。(後編につづく)

 子どもたちや大人たちに感謝され、地域の安全・安心の一翼を担う存在となっている片瀬地区安全・安心ステーションの見守り活動ですが、この日活動をされていた甘粕さん(68)が最年少とのことでメンバーの高齢化や、午後の担い手の不足が課題となっています。

 甘粕さんは「人と人とのつながりやコミュニケーションが何よりも良いし、大切。」と言い、子どもたちや地域のためにやっていることが、自分にとっても嬉しいことにつながっているとお話しされていました。そんなまちの姿に共感される方々の参加が少しずつ拡大し、この活動の継続が望まれます。(後編につづく)